クラフトビールに出合い起業 まさに人生が変わった
2021.06.04広島北ビールは、代表の平本祐也さんのビール好きが高じてスタートした広島市安佐北区が誇るブリュワリー
仕込みに使う水には地元の上質な地下水を使用し、ビールの副材料には、県内で採れる様々な特産物を使用したこだわりのあるクラフトを醸造しております。
“地産地消”という言葉がまさに似あう醸造所で、平本さんの生まれ育った広島市安佐北区で醸造をスタートさせて以来、たくさんの地元の人に親しまれてきました。
その代表の平本さん、元々、ビールとは程遠い仕事についていたんです。
【クラフトビールに魅了されたきっかけ】
「関西の大学を卒業してから、広島でボイラーの排ガス検査や水質調査など環境計測を請け負う会社で働いていました。
その会社を独立して個人事業主として仕事をしていた時、仕事関係のお付き合いでクラフトビールを知って、一発でほれ込みました。元々お酒が大好きで、日頃から様々なジャンルのお酒を飲んでいましたがクラフトビールにハマってからというもの、日本全国のクラフトビールを探しては飲むようになりました。
それと同時に、小規模でビールを造る日本国内のマイクロブリュワリーの数の多さにも驚いていたんです」
(平本さん)
【飲み手から造り手へ...】
その後、平本さんは自らクラフトビールを醸造する道へと進みました。
「『こんなに美味しいビールを自分でも造れるならやってみたい』。その想いがブリュワリーに転身するきっかけとなりました。それから、広島県呉市にある「海軍さんビール」に醸造所見学に行きその繋がりで島根県にある「石見麦酒さん」を紹介してもらってビールの仕込みからそのための設備のことなど、ブリュワリーを立ち上げるために必要なことを1年間かけて勉強したんです。
その後ようやく自身のブリュワリーを立ち上げました。仕込みから瓶詰め、梱包、出荷、清掃までビール造りに関する作業はほんと煩雑で自分が思っていたより作業が大変だということに気づいたんです。
でも、直営の「広島北BEER BAR」で自分の手がけたビールを飲んだお客さんから、『美味しいです!』という声が聞けたときは、ほんとすべての苦労が吹き飛びますよね。いまはそのお客さんの声が励みになっています」
(平本さん)
【 地産地消にこだわるビール造り「馴染みやすさを大切にしています」】
まだ32歳という若さの平本さんが手がける北広島ビールでは、地元の特産品である牡蠣や柚子、シトラスを使ったクラフトビールを手掛けています。
人気商品の「オイスタースタウト」は、似島産の牡蠣を殻ごと投入した麦芽のコクとオイスターの旨みがマッチした一品。
牡蠣の礒臭さなどはなく、後味が少しまろやかになって、飲みやすいと評判です。
また、県内で収穫されたフレッシュな果物を使ったビールも人気で春はいちご、夏は甘夏、秋は梨、冬は柚子と季節ごとの“旬な味”を楽しめ、特に「柚子エール」や「ピオーネヴァイツェン」などは、それぞれリピーターがいるほどの人気商品になっています。
「広島北ビールで造られるビールは“本格的”というよりも“馴染みやすさ”を大切にしています。ビールにほとんどなじみのない方にもクラフトビールに興味を持つきっかけになればと思って造っています」と平本さん。
【思いはボトルのラベルにも表れる】
販売する商品は、ポップなイラストが目立つボトルに入れて販売しています。
「小さな醸造所ならではの小回りの利いた醸造を心掛け、ベーススタイルにこだわって地域と連携して展開していきたいと考えています。
ビアバーのような直営店でなくても各地域に広島北ビールの取扱い店の輪を広げ、広島北ビールのカルチャーと広島北ビールを伝えていきたいと思っています」
取り揃えている商品は、亀山醸造所の直売所や市内の様々な取扱店
イベントやマルシェなどで購入でき、また可部駅近くにある直営のビアバーでは様々なものを飲み比べすることができます。
人気の「オイスタースタウト」のほかにキリっとした柚子の香りのあるフルーティな「柚子エール」やオレンジとレモンの果皮を少し投入した「広島シトラスIPA」などもあります。
「今後も、地元産の特産物を使用し、地域と連携した面白い商品作りやベーススタイルにこだわった商品開発を考えています。
クラフトビールはワインと同じように、醸造所の数だけ個性あるビールが作られ、多様なスタイルをお楽しみいただけることが魅力ですので、
お好みのクラフトビールを探してみてください」(平本さん)