日本三大酒処「西条」の魅力

日本三大酒処って?

世界三大〇〇、日本三大〇〇…数ある三大有名処がありますが、日本酒にも、日本三大酒処が存在します。
京都の「伏見」、兵庫の「灘」、そして広島の「西条」。いずれも古くから良質な湧き水があり、また日本酒に適したお米の産地でもあります。
今回は広島の「西条」の酒処たる所以を少しだけご紹介します。



日本酒造りに向いていない『水』なのになぜ…


三大酒処は良質な水が湧き出ると書きましたが、実は西条周辺は、お酒に向かない「軟水」が湧き出る地。日本酒産業の興隆は難しいだろう、とされていました。
しかし、明治時代にこの「軟水」であることを逆手にとり、広島独自の酒の発展のきっかけを作った人物が現れました。
当時西条と同じ東広島の安芸津で酒造業を営んでいた、三浦仙三郎氏です。
三浦仙三郎氏が「軟水醸造法」という画期的な製法を開発し、そこから広島の酒産業は急速に発展をとげていったのです。


西条の有名銘柄と言えば、オバマ元大統領が安倍晋三元首相との夕食時に飲んだとされる「賀茂鶴」や、広島酒の中で最も古い歴史を持つと言われる「白牡丹」など。
軟水でつくるお酒は、まろやかで繊細な味となり、西条のお酒も比較的甘口が多いとされています。
その中でも、「亀齢」のように、すっきり爽やかな辛口酒を得意とする酒造もあり、西条酒だけでも飲み比べがお楽しみいただけます。


また、西条は、日本で唯一お酒を研究する国の施設「酒類総合研究所」を有し、そこでは様々な鑑評会や最新の研究を行っています。

“酒都”西条が魅せる酒蔵通りと『酒まつり』

お酒を知らない人にも、西条の酒蔵通りの風情ある街並みはきっと魅力的に映るはず。
赤レンガに煙突、白壁が並ぶ通りを歩くと、歴史と文化を肌で感じることができます。
この西条酒蔵通り周辺の酒蔵が連なる一帯は「西条の酒造施設群」として日本の20世紀遺産にも選定されています。


そして西条といえば「酒まつり」。毎年10月に街をあげて行われるお酒の祭典です。
2020年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となりましたが、お酒との出会いに酔いしれる、酒好きなら必ず参加したいビックイベントです。


広島には、西条以外にも安芸津や竹原など全国的にも有名な酒処がたくさん。
その魅力はまた特集記事で紹介させていただきます!